ウールの厚手ニットがそろそろ暑苦しくなってくる頃、代わりに欲しくなるのがコットンや麻・リネンを使った春ニット。同じ「薄手ニット」という括りでも、素材が違うだけで手触りも着心地もまったくの別物です。とりあえず薄ければいい、と選んでしまうと実はここで差がつきます。そこで今回は、コットン・麻リネン素材の春ニットに絞って、選び方から着こなし、お手入れまでまとめてご紹介します!
なぜ今「コットン・麻リネンニット」で選ぶのか
薄手ニットならとりあえず良い、という選び方だと実はもったいないです。
理由は、素材そのものに「春らしさ」が備わっているからです。ウールのニットは冬の防寒が主目的ですが、コットンや麻・リネンはもともと春夏向けの繊維。糸そのものが涼しさや軽さを持っているので、薄く編むだけでなく生地の質感からして季節感が出ます。同じ「薄手」でも、化繊混のさらっとした涼感ニットと、コットン・麻リネンのニットでは見た目の説得力がまるで違うんです。触ったときのナチュラルな風合い、洗い込むほど馴染んでいく肌なじみの良さ、これがコットン・麻リネン素材ならではの魅力です!
コットンニットと麻・リネン混ニットの着心地の違い
同じ「春素材」でも、コットンと麻・リネンでは着心地の方向性がけっこう違います。
コットンニットは、肌触りが柔らかくて扱いやすいのが特徴です。汗を吸っても嫌な感じになりにくく、洗濯機で気軽に洗える物が多いので、普段使いのしやすさで選ぶならコットンが無難。一方、麻・リネン混のニットは、シャリ感のある独特の質感が持ち味です。糸自体に張りがあるので、コットンよりも通気性が良く、汗ばむ陽気でも涼しく着られます!ただし麻は毛羽立ちやすく、コットンよりシワになりやすいという面もあるので、そのあたりは好みと使うシーンで選び分けるのがおすすめです。
比較すると、次のようになります。
| 素材 | 着心地 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| コットン100% | 柔らかい、洗いやすい | 普段使い、オフィスカジュアル |
| 麻・リネン混 | シャリ感、通気性が高い | 気温が上がる日、屋外での時間が長い日 |
| コットン×麻混紡 | 両方のバランス型 | 迷ったらまずここから |
迷ったら、コットンと麻を混紡したタイプから試すのがおすすめです。両方の良さのちょうど中間くらいの着心地になります。
編み目の粗さで変わる季節感
コットン・麻リネンニットは、編み目の粗さで季節感がガラッと変わるのも面白いところです。
目の詰まったハイゲージ(編み目が細かい編み方)のニットは、カットソーに近い感覚で着られて上品な印象になります。逆に目の粗いローゲージ(編み目が粗い編み方)は、ざっくりとした表情が出て、いかにも「春を待ってました」という季節感を演出できます!同じコットン素材でも、ハイゲージなら通年っぽく使えて、ローゲージなら春らしさがぐっと強調される、というくらいの違いがあります。
個人的には、まだ肌寒さが残る時期はハイゲージ、気温が上がってくる時期はローゲージ、というくらいの使い分けがしっくりきます。1枚だけ買うなら、まずは使い勝手のいいハイゲージから試すのが無難です。
薄さだけを基準に選んでしまうと、化繊混の涼感ニットも同じ土俵に並んでしまいます。でも素材から選ぶという視点を持つと、コットン・麻リネンのニットだけが持つ独特の風合いと着心地の良さに、ちゃんと目が向くようになります。
選び方のコツ
素材と編み目のほかに、色と形も見ておきたいポイントです。
色は、白やベージュ、グレーといった淡色を選ぶと、コットン・麻リネンならではの軽さがより引き立ちます。逆に黒やネイビーの濃色を選ぶと、春先でも少し引き締まった印象になり、まだ肌寒い時期に使いやすいです。ベースは白黒でまとめておいて、そこに1色差し色を効かせるのが基本の考え方。ニット自体を差し色にするなら、淡いブルーやマスタードあたりが季節感も出て使いやすいです!
シルエットは、スッキリしたクルーネックが一番使い回しやすく、リラックス感を出したいならゆったりめのプルオーバーやジップアップタイプもおすすめ。ジップ仕様のニットは、羽織り感覚でパーカーのように使えるので、1枚で何通りにも着られる便利さがあります!
麻・リネン素材は湿気を吸うと少しくたっとしやすいので、選ぶときは天気も軽く気にしておくと安心です。雨が降りそうな日は、コットン多めの方が型崩れしにくく気楽に着られます。
着丈も見逃せないポイントです。腰まわりが隠れるくらいの長めの着丈は、インナーとしても羽織りとしても使い回しやすく、逆に短めの着丈はパンツにインしやすいので、キレイめのスタイリングと相性が良くなります。普段どちらの着こなしが多いかで、着丈を選ぶ基準にするのもおすすめです。
キレイめとラフの使い分け
コットン・麻リネンニットの面白いところは、着こなし次第でキレイめにもラフにも化けることです。
シャツインでキレイめに
編み目の細かいニットにシャツをインナーに使うと、一気にカッチリした印象になります。無地の白シャツを合わせれば清潔感のある上品な見た目に、チェック柄のボタンダウンシャツを使えば、上品さの中にカジュアルさも残るバランスの良いスタイリングになります。スラックスやセンタープレスパンツと合わせれば、オフィスカジュアルとしても十分通用します!
ラフに一枚で着る
編み目の粗いローゲージニットは、そのまま一枚で着るだけで様になります。デニムと合わせればカジュアルに、スウェットパンツと合わせれば脱力感のあるラフなスタイリングに。畏まった小物を足さなくても、素材の表情だけで十分こなれて見える〜、これがコットン・麻リネンニットの得なところです。
着こなし・重ね着相性で楽しむ
トップスとの色合わせより、実は重ね着の相性の方が春ニットでは大事だったりします。
カットソー・Tシャツをインナーに
コットン・麻リネンニットは薄手なので、下にカットソーやTシャツを仕込んでも着ぶくれしません。白のカットソーをインナーに使えば、ニットの首元や袖口からチラ見せする使い方も楽しめます。ボーダー柄のカットソーを差し色的にチラ見せさせると、シンプルなニットの表情がぐっと豊かになります!
シャツを重ねて着る
シャツの上からニットを重ねる、いわゆるシャツオンニットの着方もおすすめです。襟や裾をシャツから覗かせるだけで、レイヤードの雰囲気が簡単に出ます。無地のニットに柄シャツを仕込めば、派手すぎず地味すぎない絶妙なバランスに仕上がります。
羽織り物との重ね着
朝晩がまだ冷える時期は、マウンテンパーカーやコーチジャケットのような薄手のライトアウターをニットの上から羽織るのがおすすめ。ニット単体だと心もとない気温でも、さっと羽織るだけで防寒とスタイリングの両方が解決します。アウターの下からニットの裾や袖をチラ見せさせれば、重ね着そのものがコーデのアクセントになります!
気をつけたいこと・やりがちな失敗
一番ありがちなのが、薄手だからと油断してサイズ選びを雑にしてしまうことです。コットン・麻リネンニットはハリのある素材が多く、ジャストサイズで選ぶとかっちりしすぎて窮屈な印象になりがち。気になるなら、ワンサイズ上げてゆとりを持たせるのが無難です。でもあえてジャストサイズでスッキリ着こなすと、それはそれで大人っぽい上品な印象になります。
もうひとつが、麻・リネン素材特有のシワを気にしすぎることです。麻はシワが入りやすい素材ですが、これは天然素材ならではの表情でもあります。気になるならコットン混の比率が高いものを選べば多少落ち着きますが、逆にシワ感をラフさとして楽しむくらいの気持ちで着るほうが、この素材とは相性がいいです。
色選びで失敗しがちなのが、淡色ばかりでまとめてしまうことです。白やベージュのニットに白パンツを合わせると、全体がぼやけてメリハリのない印象になります。気になるなら、黒や紺のパンツで引き締めるのが無難です。
首元がゆるめのクルーネックは、着ているうちに伸びて緩んで見えることがあります。気になるなら、リブがしっかりしたタイプを選ぶのが無難です。とはいえ、あえて緩んだ首元を抜け感として着こなす人もいるので、このあたりは好み次第で選んでいいところでもあります。
毛玉・型崩れ対策のお手入れ
コットン・麻リネンニットは、ウールに比べると毛玉ができやすい面があります。特にバッグのストラップが擦れる肩まわりや、腕を組んだときに擦れる脇の下あたりは毛玉が出やすいポイントです。気になる毛玉は、専用の毛玉取り器や布用のブラシで優しく取り除くと、見た目がぐっときれいになります!
洗濯するときは、伸びやすいコットンニットの特性を考えて、ハンガーではなく畳んで収納するのが基本です。洗濯後は形を整えてから平干しにすると、型崩れをかなり防げます。ネットに入れて洗濯機の弱水流で洗えるタイプも多いので、購入時に洗濯表示を確認しておくと日々の手入れが楽になります〜。麻・リネン素材は乾きが早いのも嬉しいポイントで、汗をかきやすい時期でも扱いやすいです。
コットン・麻リネンの春ニットは着るだけで季節を運んでくれる1着
僕がコットン・麻リネンニットを毎年欲しくなる理由は、着た瞬間に「もう春だ」と体感できることです。
ウールのニットを脱いで、コットンや麻の軽さに袖を通すと、それだけで気分が切り替わります。薄いだけの化繊ニットにはない、天然素材ならではの肌触りと季節感〜。これが毎年このタイミングで欲しくなる一番の理由です!
シャツインでキレイめに、ラフに一枚でカジュアルに、羽織り物と重ねて防寒対策も。1着で何通りにも使えるのが、コットン・麻リネンニットの強みです!今シーズン新しい春ニットをお探しでしたら、是非参考になさってみて下さい!

