一着あれば長く着られて、着るほど様になっていくライダースジャケット。でも実際に選ぶとなると、革の種類だけでもカウハイド、ラムスキン、ゴートスキン、ホースハイドとバリエーションが多く、そこにシングルとダブルというシルエットの違いまで加わって、何を基準に選べばいいのか迷ってしまいます。実は革の質感と形の特徴さえ押さえておけば、好みの一着はグッと選びやすくなります!ですので今回は、革の種類とシルエットの見分け方をご紹介!
なぜライダースジャケットは革の種類と形で選ぶべきなのか
ライダースジャケットは決して安い買い物ではありません。だからこそ、なんとなくの見た目だけで選んでしまうと、着てみて「思っていたのと違う」となりがちなアイテムです。
理由はシンプルで、革の種類とシルエットの組み合わせで、雰囲気も着心地もまったくの別物になるからです。同じ黒いライダースジャケットでも、硬めのカウハイドでダブルを選べばバイカー然としたハードな一着になりますし、柔らかいラムスキンでシングルを選べば、シャツの上からでもすっと羽織れる軽やかな一着になります。
値段が張る分、革の質感とシルエットさえ自分の好みに合っていれば、5年、10年と長く付き合えるアイテムでもあります。逆にここを外すと、クローゼットの奥で眠ることになりかねません。だからこそ最初に革の種類とシルエットの見分け方を知っておく価値は大きいです!
ライダースジャケットの革の種類・見分け方
まずはライダースジャケットでよく使われる革を、特徴と一緒にざっくり整理してみます。
| 革の種類 | 質感・特徴 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| カウハイド・カーフスキン(牛革) | 厚みがあって硬派、重厚感のある艶 | ハリのある表面と、しっかりした重み |
| シープスキン・ラムスキン(羊革) | 薄くて柔らかく、体に馴染みやすい | 軽い着心地としなやかな表面 |
| ゴートスキン(山羊革) | 上質なシボ感、光沢を抑えたマットな質感 | 表面の細かいシボ模様 |
| ホースハイド(馬革) | 希少で柔らかいのに上品な艶がある | 独特のハリと繊細な表情 |
こうして並べると、見分けるポイントは大きく二つに絞れます。ひとつは表面の質感がマットかツヤ感があるか、もうひとつが革の厚みと重さです。この二点を押さえておけば、店頭で触っただけでもだいたいの種類が見当つくようになります!
革の種類別の特徴
カウハイド・カーフスキン(牛革)
男らしくハードな雰囲気を出したいなら、まず候補に挙がるのがカウハイドです。厚みがあってしっかりした革なので、着込むほどに味のある艶が育っていきます。バイカー系のダブルライダースに使われることが多いのも、この重厚感があってこそです。
ただし革によっては見た目以上にずっしり重いものもあるので、試着のときは肩に乗せた瞬間の重さを必ず確認しておきたいところ。キップレザー(生後半年〜2年ほどの牛から取れる革)は牛革の中でも比較的柔らかく、カウハイドの雰囲気を残しつつ着心地は軽めなので、重さが気になる人はここから検討するのもありです。
シープスキン・ラムスキン(羊革)
とにかく着心地の軽さを求めるなら、ラムスキンが一番使いやすい革だと感じています。体に吸い付くような柔らかさがあって、シャツやパーカーの上にさっと羽織るジャケット感覚で使えるのが魅力。薄手のモデルが多いので、ライダースジャケット初挑戦の人にもハードルが低い革です。
その分、カウハイドほどの武骨さは出にくいので、バイカー的なハードさを求めている人には少し物足りなく感じるかもしれません。でも、羽織りやすさと軽さを優先するなら、真っ先に検討したい革です!
ゴートスキン(山羊革)
落ち着いた大人っぽさを狙うなら、ゴートスキンが好相性です。光沢を抑えたマットな質感と、表面の細かいシボが上品な雰囲気を作ってくれます。牛革ほど硬くなく、羊革より少ししっかりした張りがあるので、シングルライダースとの相性も良いです。
きれいめなシャツやスラックスと合わせても浮かないので、カジュアルに寄りすぎたくない人にはかなりおすすめの選択肢です。
ホースハイド(馬革)
希少価値が高く、玄人向けなのがホースハイドです。柔らかいのにハリがあり、カウハイドに似た上品な艶も出るので、見た目のクオリティ感はかなり高いです。
ただしデリケートな革でもあるので、キズや水濡れには気を使う必要があります。できれば購入前に実物を見て、革の状態を自分の目で確かめておきたいところ。ネット通販だけで選ぶにはやや不向きな革かもしれません。
型で選ぶ:シングル・ダブル・ブルゾンタイプの違い
革の種類が決まったら、次はシルエットです。ライダースジャケットの型は大きく分けて三つ、シングル、ダブル、そしてブルゾンタイプがあります。
シングルライダース
合わせやすさで選ぶなら、まず外せないのがシングルです。ジップが体の中心を通るシンプルな作りなので、シャツで上品にまとめても、パーカーをインナーに使ったカジュアルなスタイルでも、幅広く馴染みます。
初めての1着として選ぶなら、間違いなくシングルが無難です。デニムにもスラックスにも合わせやすく、コーディネートの引き出しを選ばないのが強みです。
ダブルライダース
個性を出したいなら、ダブルの出番です。独特の切り返しと、斜めに大きく入ったジップが目を引くデザインで、エンジニアブーツと合わせればバイカーらしい雰囲気が一気に強まります。
シングルに比べると主張が強いので、ボトムスや靴までハードなアイテムで揃えると全体のバランスが取れます。手が出しにくいと感じるかもしれませんが、着ている人を見ると不思議とお洒落に映る型でもあります。
ブルゾンタイプ
レトロでクラシカルな雰囲気を求めるなら、ブルゾンタイプという選択肢もあります。ジップ位置や切り返しがシンプルな分、ハットや小物でメリハリを付けて使うと大人っぽく仕上がります。
きれいめなスタイリングのアクセントとしても使いやすく、ライダースらしいハードさよりも落ち着きを優先したい人向きの型です。
経年変化の違いで選ぶ
革は使うほど表情が変わっていくのも魅力のひとつですが、この変化の出方は革の種類でかなり違います。
カウハイドとホースハイドは、着込むほどにツヤが増して、革全体の色味が深くなっていくタイプです。最初はやや硬さを感じても、数年着るとしなやかさが増して体に馴染んでいきます。じっくり育てる楽しみを求めるなら、この二つが向いています。
ラムスキンとゴートスキンは、もともと柔らかい分、経年変化はゆるやかです。表面のシワの入り方が徐々に自分の体つきに合ってきて、着るほどに手に馴染んだような感覚が出てきます〜。大きな変化を求めるより、最初から着心地の良さを楽しみたい人向きです。
どちらが良いというより、革を育てる過程を楽しみたいか、最初から快適さを取るかで選ぶ革は変わってきます。
初めての1着の選び方
色々な革とシルエットを見てきましたが、初めての1着で迷ったらどう選ぶべきか、最後に整理しておきます。
色は黒から入るのが無難です。デニムにもスラックスにもスウェットパンツにも合わせやすく、着回しの幅が一番広い色になります。革はラムスキンかゴートスキンがおすすめ。柔らかくて着やすいうえに、革特有の匂いも比較的控えめなので、普段のコーディネートにすんなり馴染みます。
型はシングルライダースを選んでおけば、まず失敗しません。ダブルはインパクトがある分、着こなす場面を選ぶので、ライダースジャケット自体に慣れてから検討するくらいでちょうどいいです〜。
もちろん、最初からダブルやカウハイドのハードな一着に惹かれる人もいるはずです。その場合は無理に無難を選ばず、直感で気に入った方を選ぶのもひとつの手。長く付き合うアイテムなので、最終的には自分がテンション上がる方を選ぶのが一番です!
着こなし・合わせ方(パンツ・インナー別)
ライダースジャケットは単体で決めるより、パンツとインナーまで含めて考えると一気に様になります。
デニムに合わせるなら、スキニーやテーパードのようなすっきりしたシルエットが相性抜群です。太めのデニムだと上下でボリュームが重なって野暮ったく見えやすいので、パンツは細身寄りにまとめるのが基本形。ロールアップして足首を見せると、レザーの重さに軽さが加わってちょうど良いバランスになります。
スラックスに合わせるなら、シングルライダースとの組み合わせが使いやすいです。きれいめなパンツにハードなアウターを重ねることで、きちんと感の中にラフさが混ざって今っぽい雰囲気になります。インナーは白シャツか黒のカットソーでシンプルにまとめると、ライダースジャケットの存在感が引き立ちます。
インナーにパーカーを合わせるのも定番の組み合わせです。フードを襟から少し覗かせるだけで、カジュアルな抜け感が出ますし、寒い時期は防寒性も上がって一石二鳥!黒いライダースジャケットにパーカーを合わせたスタイルは、春先から初冬まで長く使える組み合わせでもあります。
色使いはベースを黒か白でまとめておいて、マフラーやスニーカーなどどこか1箇所だけ色を効かせるのが基本です。差し色は多くても2箇所まで、それ以上増やすとライダースジャケットの持つハードな雰囲気が薄れてしまいます。
お手入れと保管
レザーアイテムなので、長く着るためのお手入れにも軽く触れておきます。
普段は柔らかい布で表面のホコリを軽く払うだけで十分です。汚れが気になるときは、レザー専用のクリーナーを使い、いきなり全体に塗らず目立たない部分で試してから使うと安心です。カウハイドやホースハイドのように厚みのある革は、半年に一度くらいの頻度でレザー用のクリームを薄く入れてあげると、乾燥によるひび割れを防げます。
保管するときは、直射日光と湿気を避けて、型崩れしないように肩の部分が合ったハンガーにかけておくのが基本。ビニールカバーをかけっぱなしにすると革が呼吸できずに傷みやすいので、通気性のある不織布のカバーに替えるだけでも状態がだいぶ変わってきます。
手をかけた分だけ長持ちして、革の表情も良くなっていくアイテムなので、面倒に感じてもたまに手入れをしてあげると、5年後の見え方がまったく違ってきます!
気をつけたいこと
最後に、選ぶときに失敗しやすいポイントを挙げておきます。
ひとつ目は、サイズ感を大きめに選びすぎることです。ゆったりしたシルエットは今っぽく見えますが、大きすぎると肩の位置がズレて、革が持つシャープな印象が崩れてしまいます。気になるなら、肩幅だけジャストに合わせて、着丈と身幅に少し余裕を持たせるくらいがちょうど良いです。でも、あえてオーバーサイズで着崩すスタイルも今っぽくて面白い選択肢ではあります〜。
ふたつ目は、革の重さを試着せずに決めてしまうことです。カウハイドやホースハイドは見た目以上にずっしりしていることがあり、実際に袖を通すと「思ったより重い」と感じることが多いです。気になるなら、店頭で肩に乗せて重さを確認するか、ラムスキンやゴートスキンのような軽めの革を選ぶと快適に着られます。
みっつ目は、革特有の匂いを気にせず選んでしまうことです。特に新品のカウハイドは独特の匂いが強めに出ることがあり、慣れるまで気になる人もいます。匂いが気になる人は、比較的匂いの少ないラムスキンやゴートスキンから試してみるのがおすすめです!
ライダースジャケットは革と形を知れば選ぶのがラクになる
革の種類とシルエットさえ押さえておけば、ライダースジャケット選びで迷う時間はぐっと短くなります!硬派に決めたいならカウハイドのダブル、気軽に羽織りたいならラムスキンのシングルというように、自分の好きな雰囲気から逆算して選べば、それだけでもう失敗しにくくなります。
僕自身、革の質感とシルエットの組み合わせを知ってからは、店頭で触っただけでも「これは何年か育てたら良い表情になりそうだ」と見当がつくようになりました。値段が張るアイテムだからこそ、革と形の見分け方を知ってから選ぶ価値は大きいです!
これからレザーのライダースジャケットを検討されている方は、是非参考にしてみてください!

