ニットの毛玉の取り方!毛玉取り器とブラシを素材で使い分ける

毛玉が付いた部分と取れた部分が並ぶグレーのニットの袖と、ハサミ、取れた毛玉

お気に入りのニットを着ていたら、脇の下や袖のまわりに小さな毛玉がびっしり。気になって指でつまんで取っていたら、気づけばそこだけ生地が薄くなっていた。毛玉は放っておくと一気に古びて見えますが、取り方を間違えると、かえってニットを傷めてしまいます。この記事では、毛玉ができる仕組みから、電動の毛玉取り器とブラシの使い分け、素材ごとの注意点、毛玉を増やさない洗い方までまとめていきます!

目次

毛玉は、摩擦で出た毛羽が絡んだもの

毛玉は、着ているときや洗濯のときの摩擦で、繊維の先が生地の表面に出て毛羽立ち、その毛羽同士が絡み合ってできます。繊維製品の試験機関であるカケンやボーケン、ニッセンケンも、この現象をピリングと呼んで同じように説明しています。

ニットが毛玉になりやすいのは、織物より編み地がゆるく、糸の撚りが甘くて毛羽立ちやすいからだと、ニッセンケンは説明しています。脇の下や袖、バッグが当たる腰まわりなど、こすれる場所にできやすいのはこのためです。

素材による違いもあります。ウールのように強度が弱めの繊維は、毛玉ができてもやがてちぎれて落ちます。一方、ポリエステルやナイロン、アクリルのような強度の強い合成繊維は、毛玉が落ちずに残り続けると説明されています。ウールにナイロンが少し混ざったニットは、毛玉が残りやすい組み合わせです。

手でむしるのは、やめておく

毛玉を見つけると、つい指でつまんで取りたくなります。でも、マクセルイズミは、手でちぎるとその場ではきれいに見えても、あとで毛玉ができやすい環境を作ってしまうと注意しています。

毛玉は、生地から出た繊維の先が絡んだものなので、引っ張ると生地の中の繊維まで一緒に引き出されます。引き出された繊維がまた毛羽になり、次の毛玉の元になる。むしるほど増える、という悪循環です。

取るなら、道具で表面だけを切り取るのが基本です。毛玉の数や素材によって、使う道具を変えます。

道具は、毛玉の量と素材で使い分ける

毛玉を取る道具は、大きく分けて電動の毛玉取り器、毛玉取りブラシ、ハサミの3つです。それぞれ向いている場面が違います。

道具向いている場面向かない素材・場面使い方の要点
電動の毛玉取り器広い範囲に毛玉がびっしり。ウールやアクリルのニット、スウェットモヘア・アンゴラなど毛足の長いもの(メーカーが使用不可としている)、薄い生地、縫い目平らな所でシワを伸ばし、強く押し当てない
毛玉取りブラシカシミヤなど繊細な素材、毛玉が少ないうちのこまめな手入れ固く絡んだ大きな毛玉繊維の方向に沿ってなでる
ハサミ数個だけの大きな毛玉、電動が使えない場所広い範囲毛玉を引っ張らず、根元を切る

ハサミについては、試験機関のカケンが、取り扱いの注意の例文として「引っ張らずにはさみなどで取り除いて下さい」と書いています。数が少ないときは、ハサミで1つずつ切るのも立派な方法です。

黒のニットの上に置いた電動の毛玉取り器、毛玉取りブラシ、ハサミ

電動の毛玉取り器の使い方

電動の毛玉取り器は、広い範囲を一気に取れるのが強みです。ただ、使い方を間違えると生地に穴があくこともあるので、メーカーの注意は押さえておきたいところです。

まず、ニットを平らな場所に置いて、シワを伸ばします。テスコムは、手やひざの上に衣類をのせて使わないよう案内しています。生地がたわんだ状態だと、刃が生地を巻き込んでしまうからです。

次に、刃を強く押し当てないこと。パナソニックは刃を生地に強く押しつけると生地を傷めるおそれがあるとし、マクセルイズミは浮かせぎみにゆっくり動かし、何度も反復しないよう書いています。毛玉の上をなでるくらいの力で十分です。

初めて使うニットは、裾の裏側など目立たない場所で試してから全体にかけます。テスコムも、目立たない部分で試すよう案内しています。

着たまま使いたい場合は、機種によっては専用のアタッチメントがあります。マクセルイズミの毛玉取り器は、着たまま使うときはふわふわリングという部品を付けて、やさしいモードで使うよう案内しています。付属品と使い方は機種ごとに違うので、説明書どおりに使ってください。

電動が使えない素材と、ブラシの出番

電動の毛玉取り器には、使えない素材があります。テスコムの取扱説明書では、モヘア・アンゴラ・カシミアなど毛足が長いもの、薄い生地、縫い目や刺繍の部分には使わないよう書かれています。マクセルイズミも、モヘヤ・アンゴラなどの毛足の長い製品には使わないとしています。

こういう素材には、毛玉取りブラシが向いています。浅草アートブラシのかんたん毛玉取りブラシ「匠」は、カシミヤからウール、アクリルまで様々な素材に使えると案内されていて、使い方は繊維の方向に沿ってなでるだけです。襟元や袖口は、ブラシを縦に動かします。

ブラシは、電動のように一度に大量の毛玉を取るものではありません。着たあとにさっとなでて、毛玉になる前の毛羽を整える使い方が一番効きます。毛玉が少ないうちのこまめな手入れ用、と考えておくといいです。

部位ごとの取り方

毛玉ができやすい場所は、だいたい決まっています。脇の下、袖の内側、腰まわり、そしてバッグのストラップが当たる肩のあたりです。

脇の下や袖の内側は、生地が重なって平らにしにくい場所です。袖の中に丸めたタオルを入れて、筒状に張った状態にすると、電動でもブラシでも当てやすくなります。腰まわりは、平らに置いてシワを伸ばせば、そのまま取れます。

リブ編みの袖口や裾は、凹凸があって電動の刃が当たりにくく、生地を巻き込みやすい場所です。ここはブラシか、ハサミで1つずつ切るほうが安全です。縫い目の近くも、電動は避けてください。

ハサミで切るときは、毛玉を引っ張らずに、生地と平行にハサミを寝かせて、毛玉の根元だけを切ります。刃先の細い小さなハサミのほうが、生地を一緒に切ってしまう失敗が少なくなります。ひとつずつ切るのは手間ですが、リブや縫い目のまわりでは一番確実な方法です。

丸めたタオルを入れて張らせたニットの袖と、毛玉取りブラシ

毛玉を増やさない洗い方

毛玉は摩擦でできるので、洗濯のときの摩擦を減らすのが一番の予防です。ライオンは、おしゃれ着用洗剤を使い、柔軟剤も一緒に使って、たたんで洗濯ネットに入れ、手洗いやおしゃれ着などの弱い水流のコースで洗うよう案内しています。スウェットは、摩擦による毛玉を防ぐために裏返して洗う、とも書いています。

花王も、エマールとおしゃれ着コースで洗うと毛玉を防いでなめらかに仕上がる、と案内しています。カシミヤはネットに入れてやさしく洗い、モヘヤやアンゴラは裏返して手洗いする、と素材ごとの洗い方も公開しています。

ニットの洗い方そのものは、メンズニットを縮ませない洗い方!中性洗剤・平干し・毛玉対策までも参考にしてみてください。洗い方を整えるだけで、毛玉を取る回数はかなり減ります!

着方でも、毛玉はある程度減らせます。同じニットを毎日続けて着ると、同じ場所が繰り返しこすれます。2〜3枚を順番に回すだけで、1枚あたりの摩擦が減ります。斜めがけのバッグのストラップが当たる場所も毛玉ができやすいので、ニットの日はバッグを手で持つものにするのもひとつの手です。

素材で考えると、アクリルやナイロンが混ざったニットは、毛玉が落ちずに残りやすいぶん、こまめに取ったほうが見た目を保てます。ウールが多いニットは、着ているうちに毛玉が自然に落ちることもあるので、ブラッシングで整える程度で済む場合もあります。

そろえる道具

ニットが多いなら電動の毛玉取り器を1台、カシミヤなど繊細なニットがあるならブラシを1本。この組み合わせで、たいていの毛玉に対応できます。下の表は、メーカー公式サイトで仕様を確認できたものに絞って並べました。僕が使ったうえでの感想ではなく、公式の表示をもとにした比較として見てください。

種類製品名電源刃・毛重さ
電動(充電式)パナソニック 毛玉クリーナー NI-LC300充電式(USB Type-C)内刃6枚約174g
電動(充電・交流式)マクセルイズミ とるとるPro KC-NW825充電・交流式(USB)デリケート外刃とスタンダード外刃の2種付き約197g
電動(乾電池式)テスコム 毛だまトレタ TKD45A単3形アルカリ乾電池2本刃幅51mm150g
ブラシ(手動)浅草アートブラシ かんたん毛玉取りブラシ「匠」なし猪毛、天然木の持ち手約80g

使える素材と使えない素材は製品ごとに違うので、買う前に取扱説明書の注意を確認しておくと安心です。たとえばマクセルイズミのとるとるProは、製品ページでおすすめの生地に靴下を挙げる一方で、取扱説明書には伸縮性の高い靴下には使わないとも書かれています。外刃の種類で扱いが違う可能性があるので、使う外刃の説明を確かめてください。浅草アートブラシの説明は、メーカー公式のオンラインショップに書かれている内容です。

やりがちな失敗

ひとつ目は、同じ場所に毛玉取り器を何度も往復させること。取り残しが気になってつい繰り返しますが、そのたびに生地の表面も削れていきます。一度かけて残った毛玉は、ハサミで1つずつ切るほうが生地に優しいです。

ふたつ目は、着たまま電動をかけること。生地がたわんだ状態だと、刃が生地を巻き込みやすくなります。着たまま使える専用のアタッチメントがある機種もありますが、基本は脱いで平らに置いてからです。

みっつ目は、毛玉ができるたびに取りすぎること。毛玉取りは、表面を少しずつ削る作業でもあります。毛玉が数個気になる程度なら、ブラシで整えるだけにして、電動はたまってきたときにまとめてかけるくらいがちょうどいいです〜。

毛玉が取れたニットは、もう一度主役になる

毛玉だらけのニットは、それだけで疲れて見えます。でも、毛玉をきれいに取れば、同じニットがまた外に着ていける顔に戻ります。むしらずに道具で切り取る、素材で道具を使い分ける、洗うときの摩擦を減らす。この3つを押さえておけば、ニットはずっと長く着られます。

グレーのニットに白のシャツの襟をのぞかせて、黒のパンツ。毛玉のないニットは、こういうシンプルな組み合わせでこそ映えます。今シーズン、しまってあったニットを出したら、まず毛玉のチェックから始めてみてください!

ニットの毛玉に困っているなら、是非参考にしてみてください!

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この記事を書いた人

「何を買えばいいか分からない」。昔、外見でつまずいたときの僕がそうでした。そこから服の力に気づいて、DOMEBRAでは、カジュアルにアウトドアやストリート、ドメブラを混ぜた着こなしを軸に、選び方から合わせ方まで紹介しています。

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