秋になって、去年しまったレザーブーツを箱から出してみたら、表面が白っぽく粉をふいていた。履きじわのところが乾いてカサカサしている。こういうとき、何から手をつければいいのか迷います。革靴の手入れは道具が多くて難しそうに見えますが、順番さえ覚えてしまえば、やることはそれほど多くありません。この記事では、シーズン前にブーツを下ろすときの確認、基本の手入れの順番、最低限そろえる道具までをまとめていきます!
箱から出したら、まず3つを確認する
しまっていたブーツを出したら、手入れの前に状態を見ます。確認するのは、カビ、乾燥、型崩れの3つです。
カビは、白や緑の粉のようなものが表面や中敷きに付いていないかを見ます。乾燥は、履きじわのところを指で軽く押して、細かいひびや白っぽいかすれがないかを確かめます。型崩れは、つま先がへこんでいないか、筒の部分が折れ曲がったまま癖になっていないかです。
カビがなく、少し乾いている程度なら、このあと紹介する基本の手入れで十分です。カビが出ていたら、普段の手入れの前に別の処置が必要になります。
カビが出ていたら、普段のブラシは使わない
カビを見つけたら、いつものブラシでいきなり払うのは避けてください。コロニルのケアガイドでは、カビは使い捨ての布か古い歯ブラシで落とし、普段のブラシは使わないよう案内しています。普段のブラシにカビが移ると、ほかの靴にも広がってしまうからです。
コロンブスの案内では、まず風通しのいい場所で乾燥させ、カビ用のミストで湿らせた布で拭き取り、そのあと素材に合ったクリームで手入れする流れになっています。同じページには、一度カビが発生すると完全には取り除くことができない、という注意も書かれています。表面のカビが取れても、しばらくは様子を見ておくと安心です。
カビが広い範囲に出ていたり、中敷きの奥まで入り込んでいたりする場合は、無理に自分で処置せず、靴の修理店に相談するのもひとつの手です。
M.MOWBRAYは、カビの除菌用にモールドクリーナーというスプレーを出していて、靴全体にスプレーしたあと、風通しのいい日陰に5〜7日置くよう案内しています。カビが出たブーツは、すぐに履かずに数日休ませるくらいのつもりでいると安心です。
基本の手入れは、この順番
カビがなければ、基本の手入れに入ります。M.MOWBRAYとコロンブスが公式で案内している手順は、細かい違いはあっても、大きな流れは同じです。
| 順番 | やること | 使う道具 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 靴ひもを外し、シューツリーを入れる | シューツリー | しわを伸ばして作業しやすくする |
| 2 | ホコリを落とす | 馬毛ブラシ | 縫い目やコバ(靴底の縁)も払う |
| 3 | 汚れと古いクリームを落とす | 汚れ落とし+布 | 少量ずつ、数回に分けて拭く |
| 4 | クリームを塗る | 保湿クリーム+布 | 少量を全体に薄く |
| 5 | クリームをなじませる | 豚毛ブラシ | クリームが乾く前にブラッシング |
| 6 | 乾拭きで仕上げる | 柔らかい布 | 余分なクリームを取ってツヤを出す |
シーズン前に下ろすときは、この6つを一度通してやっておけば十分です。毎回全部やる必要はなく、普段はブラッシングだけ、汚れが気になったら汚れ落とし、というように使い分けます。

ブラッシングで、ホコリを全部落とす
最初のブラッシングは、手入れの中で一番地味ですが、一番大事な工程です。ホコリが残ったままクリームを塗ると、ホコリごと革に塗り込むことになります。
使うのは、柔らかい馬毛のブラシです。コロンブスは、かかとからつま先へ一方向にブラッシングするよう案内しています。特に縫い目や、靴底との境目のコバ(靴底の縁の部分)はホコリがたまりやすいので、ブラシの先を当てて丁寧に払います。
このブラッシングだけは、履くたびにやっておくと革の持ちが変わります。帰ってきて玄関でさっと払うだけ。習慣にしてしまえば、30秒もかかりません!
汚れ落としは、少量ずつ数回に分ける
次は、表面の汚れと、前に塗った古いクリームを落とします。M.MOWBRAYのステインリムーバーは、指が軽く湿る程度の量を少しずつ取り、片足あたり3〜5回に分けて拭く使い方が案内されています。一度にたくさん付けると、革に染み込んでシミになることがあるので、少量を何回かに分けるのがコツです。
コロンブスは、クリーナーは毎回ではなく、手入れ3回に1回くらいが目安としています。汚れ落としには革の油分も一緒に取る働きがあるので、やりすぎると乾燥の原因になります。シーズン前の1回と、汚れが目立ってきたときに使うくらいで十分です。
初めて使う汚れ落としやクリームは、かかとの内側のような目立たない場所で先に試してください。革の種類によっては色が変わることがあります。
クリームは、思っているより少なく
乾いた革に油分と水分を補うのがクリームです。ここで一番多い失敗が、塗りすぎです。M.MOWBRAYの手入れ方法では米粒2〜3粒程度、コロンブスはコーヒー豆1粒分を数回に分けて、と案内しています。片足でこのくらいの量です。
布に少量を取って、全体に薄く広げます。乾燥していた履きじわのところは少し丁寧に。塗ったら、クリームが乾ききる前に豚毛のブラシでブラッシングして、革になじませます。M.MOWBRAYも、クリームが乾く前にブラッシングするよう案内しています。
最後に柔らかい布で乾拭きすれば完成です。表面に残った余分なクリームが取れて、自然なツヤが出ます。塗りすぎると表面がべたついてホコリを寄せやすくなるので、少なすぎるかなと思うくらいでちょうどいいです〜。
色はまず無色のものを選ぶのがおすすめです。M.MOWBRAYのデリケートクリームは無色で、水分が多くシミになりにくいタイプとして案内されています。どの色の革にも使えるので、1本目に向いています。
コロニルの保湿クリームの説明には、塗りすぎると表面が白く濁ることがある、と書かれています。乾拭きしても白っぽさが残るときは、量が多すぎたサインです。次からは半分の量で試してみてください。
色が抜けてきた革や、傷が目立つ革には、色付きのクリームという選択肢もあります。M.MOWBRAYのシュークリームジャーのような乳化性のクリームは、色が多くそろっていて、スムースレザーの靴やブーツに使えると案内されています。ただ、色を合わせるのは少し慣れが必要なので、最初の1本は無色にしておき、色付きは2本目以降で十分です。
防水スプレーをかける順番は、メーカーで違う
シーズン前に防水スプレーもかけておきたいところですが、どの段階でかけるかはメーカーによって案内が違います。
M.MOWBRAYとコロンブスは、クリームで仕上げたあと、最後の工程でかけるよう案内しています。一方でコロニルは、防水スプレーが完全に乾いたあとに栄養クリームを塗って磨き上げるのがコツ、としていて、クリームの前にかける順番です。
どちらが正しいというより、使う製品の案内に合わせるのが確実です。スプレーとクリームを同じメーカーでそろえるなら、そのメーカーの順番に従ってください。防水スプレーの選び方は、防水スプレーの選び方!フッ素とシリコンの違いを素材別に比較も参考にしてみてください。

そろえる道具は4つでいい
手入れ道具は、馬毛ブラシ、汚れ落とし、保湿クリーム、豚毛ブラシの4つがあれば、基本の手入れは一通りできます。下の表は、メーカー公式サイトで対応素材とサイズや容量を確認できたものに絞って並べました。僕が使ったうえでの感想ではなく、公式の表示をもとにした比較として見てください。
| 役割 | 製品名 | 用途の公式表記 | サイズ・容量 | 素材 |
|---|---|---|---|---|
| ホコリを落とす | M.MOWBRAY プロ・ホースブラシ | スムースレザー用のホコリ落としブラシ | 全長18cm | 馬毛 |
| 汚れを落とす | M.MOWBRAY ステインリムーバー | スムースレザー用の汚れ落とし(バッグや財布などの革小物には不可) | 60ml/300ml/500ml | — |
| 保湿する | M.MOWBRAY デリケートクリーム | スムースレザー製品全般(革靴・ブーツ・バッグ・財布など) | 30ml/60ml/200ml/500ml | 無色 |
| なじませる | コロニル 豚毛ブラシ(小) | スムースレザー、スウェード・ヌバック、テキスタイルなど | W41×D135×H31mm | 天然豚毛、天然木 |
表の「—」は、公式サイトに記載がなかった項目です。仕上げの乾拭きには、着古した綿のTシャツを切った布でも代用できます。まずはこの4つから始めて、慣れてきたら色付きのクリームや磨き用のクロスを足していけば十分です。
履き始めてからの手入れと、しまうとき
シーズン中は、履いて帰ったら馬毛ブラシでホコリを払う。これだけで十分です。雨に濡れた日は、乾いた布で水分を押さえて、シューツリーを入れて風通しのいい日陰で乾かします。乾いたら、乾燥しやすくなっているので、クリームを薄く塗っておきます。
シーズンが終わってしまうときは、ブラシでホコリを落として、風通しのいい日陰で陰干ししてからしまうよう、コロンブスは案内しています。時々箱から出して陰干しすると、さらにカビを防げるとも書かれています。来年の秋に箱を開けたときに困らないよう、しまう前のひと手間をしておきたいところです。
M.MOWBRAYは、しまうときにはブラッシングと換気、除湿剤を使うこと、そして箱のふたは閉めずに通気性を確保することをすすめています。油分の少ないクリームで手入れしてからしまうのも、カビを防ぐポイントとして挙げられています。
スエードやヌバックのブーツは、ここで紹介したクリームの手入れとは別のやり方になります。起毛した革の扱いは、スエードブーツの雨染みの落とし方!ヌバックが濡れたときの戻し方も参考にしてみてください。
手入れしたブーツは、それだけで格好がつく
レザーブーツの手入れは、ブラッシング、汚れ落とし、クリーム、ブラッシング、乾拭き。この順番を一度覚えてしまえば、あとは繰り返すだけです。シーズン前に1回しっかりやっておけば、冬の間は普段のブラッシングでかなり持ちます。
黒のスラックスに白のニット、足元に手入れの行き届いたダークブラウンのレザーブーツ。服がシンプルなほど、足元のツヤがそのまま印象に出ます。秋冬の始まりに、ぜひ一度ブーツを箱から出して手を入れてみてください!
レザーブーツの手入れに迷っているなら、是非参考にしてみてください!

