スエードブーツの雨染みの落とし方!ヌバックが濡れたときの戻し方

雨上がりのウッドデッキに置いたダークブラウンのスエードのチャッカブーツと、スエード用ブラシ

お気に入りのスエードのブーツで出かけた日に、突然の雨。帰って見てみたら、つま先にくっきり輪っかのシミが残っている。これ、かなりショックです!でもスエードやヌバック(どちらも表面を起毛させた革)の雨ジミは、手順を踏めばかなりのところまで戻せます。この記事では、濡れた直後にやること、汚れの段階ごとの落とし方、毛が寝てテカってしまったときの戻し方までをまとめていきます!

目次

濡れた直後にやること

雨ジミを残さないための勝負は、帰ってきてすぐの数分です。まずは水分を取ること。コロニルのケアガイドでは、表面と内側の水分をティッシュやタオルでよく吸い取り、形を整えてから直射日光を避けて乾かすよう案内されています。

ポイントは、こすらずに押さえることです。タオルでゴシゴシ拭くと、濡れて柔らかくなった毛が寝てしまい、乾いたあとにテカリの原因になります。上から押し当てて、水を吸わせるだけで十分です。

そのあとはシューキーパーを入れて形を整え、風通しのいい日陰で乾かします。コロンブスの雨の日のお手入れページでも、この乾かし方が案内されています。ここでやってはいけないのが、ドライヤーやストーブで早く乾かすこと。コロニルは、急いでドライヤーやアイロンを使うと硬化や変質、型崩れにつながると書いています。時間はかかりますが、自然に乾くのを待つのが一番の近道です!

シューキーパーがなければ、乾いたタオルや紙を丸めて中に詰めておくだけでも形が保てます。中まで濡れているときは、詰めたものが湿ってきたら新しいものに替えてください。中の水分が抜けるほど、乾くまでの時間が短くなります。

部分的に乾かすと、境目が輪ジミになる

雨ジミの正体は、濡れたところと濡れていないところの境目です。コロニルの説明によると、革は繊維がフェルトのように絡まったすき間の多い素材で、水が染み込むと濡れた部分と濡れていない部分で色に差ができます。その差が乾いたあとも残ったものが、水シミです。

だから、つま先だけ濡れたからといって、そこだけを乾かしたり、そこだけを水で拭いたりすると、新しい境目ができてしまいます。輪ジミを消す考え方は、境目そのものをなくすこと。シミの部分だけを何とかしようとしないのが大事です。

なお、コロニルのこの説明はスエード専用ではなく、革製品全般についてのものです。ただ、起毛した革は水を吸いやすいぶん、この境目ができやすい素材だと考えておくといいです。

乾いたら、汚れの段階を見極める

完全に乾いたら、シミの状態を見て、どの道具を使うかを決めます。いきなり洗うのではなく、軽い方法から順に試すのが基本です。

段階シミの状態使う道具やること
1うっすら輪が見える、ホコリっぽいスエード用ブラシ払って毛を起こす
2輪の線がはっきり残る、泥はねの跡があるスエード用の消しゴム(ラバー)表面を軽く削る
3全体にまだらなシミ、白っぽい塩のような跡起毛革用のシャンプー全体を濡らして洗う
番外毛が寝て、光ってテカって見えるワイヤーブラシ毛を起こして戻す

段階1で消えれば、それで終わりです!消えなければ段階2へ、それでもだめなら段階3へ。洗うのは革にとって一番負担が大きい方法なので、最後の手段にしておきます。

リネンの布の上に置いたスエード用ブラシと消しゴム、茶色のボトル

段階1:ブラシで払う

軽い雨ジミなら、ブラッシングだけで目立たなくなることがあります。雨で寝てしまった毛が起きると、色が均一に見えて、輪の境目がぼやけるからです。

コロンブスのスエードブラシの製品ページには、たたくようにブラッシングすると寝てしまった毛を立ち上げられる、と書かれています。まずは全体のホコリを払ってから、シミのまわりを軽くたたくようにブラシを当ててみてください。力を入れてこする必要はありません。

このとき、シミの部分だけでなく、靴全体をブラッシングしておくのがコツです。一部分だけ毛が起きると、それがまた新しい色の差になってしまいます。

段階2:消しゴムで削る

ブラシで消えない線状のシミや泥はねは、スエード用の消しゴムを使います。M.MOWBRAYのスエード&ヌバックイレイサーは、細かいゴムの粒を固めたサンドゴムで、消しゴムのように軽くこすって汚れを落とすタイプです。水を使わないので、色が変わるリスクがないのが利点だと公式で説明されています。

使い方は、シミの線に沿って軽く往復させるだけ。一か所を強くこすり続けると、そこだけ毛が削れて薄くなるので、力は鉛筆の字を消すくらいで十分です。コロニルのスウェードクリーナーの説明でも、平らな部分で優しくこすり、使ったあとはブラッシングで毛並みを整えるよう案内されています。

消しゴムで落ちるのは、表面に乗っている汚れまでです。M.MOWBRAYも、染み込んだ汚れにはスプレータイプのクリーナーが向くとしています。何度こすっても変わらないシミは、次の段階に進みましょう。

ヌバックはスエードより毛足が短く、表面がなめらかなぶん、こすった跡が残りやすい素材です。ヌバックに使うときは、スエードのとき以上に力を抜いて、同じ場所を何度もこすらないようにしましょう。

段階3:シャンプーで全体を洗う

シミが広い範囲に出ている場合や、白い塩のような跡が浮いている場合は、全体を洗って境目をなくします。ここで大事なのが、シミの部分だけでなく、靴全体を均一に濡らすことです。コロニルも、濡れていない箇所があると新たな境目ができてしまうと注意しています。

M.MOWBRAYがスエード&ヌバックシャンプーの使い方として公開している手順をまとめると、こうなります。

  • ブラッシングでホコリを落とす
  • スポンジで表面全体をしっかり濡らす
  • シャンプーを泡立てて全体にのせ、ブラシで円を描くように洗う
  • しっかりすすいで、タオルで水分を取る
  • シューキーパーで形を整えて陰干しする

注意書きも読んでおきたいところです。M.MOWBRAYは、起毛皮革の靴以外には使えないこと、新品の靴には使わないこと、特殊な革では色落ちやムラになる場合があることを挙げています。そして、シミの種類や時間の経過によっては取れないこともある、とも書いています。

乾燥には時間がかかります。何時間で乾くかを書いている公式ページはなく、どこも「完全に乾いてから」という言い方です。中まで乾いたのを確かめてから、次のブラッシングに進んでください〜。

タオルの上で全体に泡をのせたネイビーのスエードのローファーと黄色いスポンジ

毛が寝てテカったときの戻し方

シミは消えたのに、濡れたところの毛がペタッと寝て、光を反射してテカって見える。これは毛並みの問題なので、ブラシで毛を起こせば戻ります!

M.MOWBRAYのツイストワイヤーブラシは、仕上げに毛を起こす作業でヌバックのテカリ解消に向く、と案内されています。コロニルのケアガイドでは、毛並みと逆方向に毛を立てるようにブラッシングする方法が紹介されています。色が薄くあせて見える原因が寝た毛なら、毛を起こすだけで色が濃く戻る、とも書かれています。

最後に毛並みの向きをそろえます。コロニルは、濃い色の革はより濃く見える方向に、薄い色の革はより薄く見える方向に整えるよう案内しています。ブラシを一方向に動かして、全体の色が均一に見える向きで止めれば仕上がりです。

ワイヤーブラシは毛を起こす力が強いぶん、デリケートな起毛素材には強すぎる場合があります。M.MOWBRAYも、繊細な素材にはソフトなブラシを勧めています。最初は目立たないかかとの内側で試してから、全体に使うと安心です。

テカリが出やすいのは、つま先の履きじわの部分と、かかとの内側のような、こすれやすいところです。ここは雨の日でなくても毛が寝やすいので、普段から履いたあとに軽くブラッシングしておくと、テカリになる前に戻せます!

それでも戻らないシミと、次の雨への備え

3つの段階を試しても消えないシミもあります。コロニルは、深く定着したシミは消しにくいと書いていますし、M.MOWBRAYも時間の経過で取れないことがあるとしています。何週間も放っておいたシミほど落ちにくいので、雨に濡れたらその日のうちに乾かすところから始めるのが一番の対策です。

自分でやって戻らないときは、靴の修理やクリーニングの店に相談するのも手です。とくに高価なブーツは、無理に何度も洗うより、一度プロに見てもらうほうが結果的に長持ちします。

シミを落としたあとは、次の雨に備えて防水スプレーをかけておきたいところです。スエードに使えるスプレーの選び方は、防水スプレーの選び方!フッ素とシリコンの違いを素材別に比較も参考にしてみてください。

そろえる道具は4つ

段階ごとに道具が1つずつあれば、たいていの雨ジミに対応できます。下の表は、メーカー公式サイトで対応素材とサイズや容量を確認できたものに絞って並べました。僕が使ったうえでの感想ではなく、公式の表示をもとにした比較として見てください。

役割製品名用途の公式表記サイズ・容量素材
払うコロンブス スエードブラシ起毛革専用。スエード・ヌバックなどの汚れ落としと仕上げのブラッシング全長160mm0.08mmの極細ステンレス毛
削るM.MOWBRAY スエード&ヌバックイレイサースエード・ヌバック等起毛皮革の靴、ブーツ等—サンドゴム
洗うM.MOWBRAY スエード&ヌバックシャンプースエード・ヌバック等の起毛皮革の靴。雨でシミになった靴にも使える300ml—
テカリを戻すM.MOWBRAY ツイストワイヤーブラシスエード・ヌバック(起毛皮革)用ワイヤーブラシ16.5cmワイヤー/ナイロン

表の「—」は、公式サイトに記載がなかった項目です。最初にそろえるなら、ブラシと消しゴムの2つで十分です。シャンプーは、広い範囲のシミが出たときに買い足す、くらいの考え方でかまいません。

雨ジミは、慌てなければだいたい戻る

スエードに雨ジミがつくと、もう終わったような気分になります。でも実際は、押さえて水を取る、日陰で全体を乾かす、軽い道具から順に試す。この流れを守れば、かなりのシミは目立たなくなります。

戻し方を知っていると、天気予報を見て履くのをためらう回数も減ります。黒のスラックスにダークブラウンのスエードのブーツ、それだけで秋冬らしく見えるのがスエードの良さです。雨を怖がってしまい込むより、濡れたら戻す、くらいの気持ちで履いたほうがずっと楽しいです!スエードの靴の合わせ方は、スエードスリッポンの選び方と着こなし!秋冬に品のある足元を作るも参考にしてみてください。

スエードの雨ジミに困っているなら、是非参考にしてみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「何を買えばいいか分からない」。昔、外見でつまずいたときの僕がそうでした。そこから服の力に気づいて、DOMEBRAでは、カジュアルにアウトドアやストリート、ドメブラを混ぜた着こなしを軸に、選び方から合わせ方まで紹介しています。

目次