アウターを試着したときはぴったりだったのに、冬になってニットを着たら腕が上がらない。逆に、余裕を見て大きめを買ったら、肩が落ちてだらしなく見える。アウターのサイズ選びで失敗する人は多いです。原因はたいてい、試着のときに「中に何を着るか」を決めていないことにあります。この記事では、中に着るものからサイズを決める考え方と、肩・袖・着丈・身幅の見る順番、素材ごとの余裕の取り方をまとめていきます!
アウターのサイズは「中に何を着るか」で決まる
シャツやニットは、それ1枚で着るものなので、体に合わせてサイズを選べば済みます。アウターはそうはいきません。下に何を着るかで、必要な余裕がまったく変わるからです。
Tシャツ1枚の上で試着して決めたコートは、真冬に厚手のニットを入れると窮屈になります。反対に、厚手のニットを想定して大きめを選ぶと、秋口にシャツ1枚で羽織ったときにブカブカに見える。どちらも、アウター単体で見れば正しいサイズなのに、着る場面と合っていないだけです。
だから最初に決めるべきは、アウターのサイズではなく、その下に一番厚く着るものは何か。ここが決まれば、サイズはほとんど自動的に決まります!
試着の前に、中に着るものを決めておく
試着するときは、実際にそのアウターの下に着る予定のもので行くのが一番確実です。店に行く日に、冬に合わせたいニットを着ていく。それだけで失敗はかなり減ります!
中に着るものと、アウターに必要な余裕の目安はこうなります。
| 中に一番厚く着るもの | 必要な余裕 | 試着で確かめること |
|---|---|---|
| シャツ・カットソー | ほぼ普段のサイズ | 腕を前に伸ばして背中がつっぱらないか |
| 薄手のニット・スウェット | 身幅と腕まわりに少し余裕 | 腕を組んだとき脇がきつくないか |
| 厚手のニット・フーディー | 肩・袖・身幅すべてに余裕 | フードが襟元で詰まらないか |
| インナーダウン | 身幅にこぶし1つ分の余裕 | 前を閉めても中のダウンがつぶれないか |
通販で買うときも同じ考え方です。手持ちで一番厚手のニットを着たうえで、今持っているアウターの寸法を測っておく。商品ページの実寸と比べれば、試着しなくても大きく外すことはありません。
試着室では、立ったまま鏡を見るだけで終わらせないのがコツです。腕を大きく回す、つり革をつかむように片腕を上げる、椅子に座ってみる。この3つの動きで、背中や脇が突っ張らないか、裾が上がりすぎないかを確かめておくと、普段の生活で窮屈を感じることがなくなります。

見る順番は、肩→袖→着丈→身幅
中に着るものを決めたら、試着でチェックする順番があります。直しにくい場所から先に見る、というのが理由です。
肩:ここが合わなければ候補から外す
肩はお直しがほぼできない場所です。肩の縫い目が自分の肩の骨の位置に合っているか、まずここを見ます。ジャストの肩線のアウターなら、縫い目が肩の端に来るのが基準です。ここが合わないなら、ほかが良くても候補から外したほうがいいです。
ひとつ注意したいのが、ラグラン袖(襟ぐりから脇まで斜めに縫い目が入った袖)のアウターです。肩の縫い目がないので、肩線で合わせることができません。この場合は、肩が窮屈でないかと、袖の長さで判断します。
袖:腕を下ろして親指の付け根
腕を自然に下ろしたとき、袖口が親指の付け根あたりに来るのが目安です。中にニットを着ると袖が少し上がるので、試着もニットを着た状態で見ます。腕を前に伸ばして、手首が大きく出すぎないかも確認しておきましょう。
着丈:合わせるパンツで決める
着丈は、普段合わせるパンツとのバランスで決めます。細身のパンツならお尻が隠れるくらい、太めのパンツなら腰骨くらいの短めの丈が収まりやすいです。身長によって似合う丈の目安は変わるので、身長別の服のサイズと丈の選び方!メンズの重心を整える着こなしのコツも参考にしてみてください。
もうひとつ見ておきたいのが、中に着るものの裾です。パーカーや長めのニットを中に入れるなら、アウターの裾からはみ出さないかを確かめます。中の裾が少し出るのは重ね着としてありですが、大きく出ると着込んだ感じが強くなります。
身幅:最後に、中の厚みで微調整
身幅は、中に着るものの厚みで必要な余裕が変わる場所です。前を閉めて、腕を前で組んでみる。背中や脇に引っ張られる感じがなければOKです。逆に、前を閉めても体との間に大きなすき間ができるなら、大きすぎます。
前だけでなく、後ろ姿も鏡で見てください。背中に横じわが出ていたら身幅か肩が足りていませんし、腰のあたりで生地が余って波打っていたら大きすぎます。アウターは後ろから見られることも多いので、ここで判断が変わることもあります。
肩が落ちて見えるのは、デザインか失敗か
最近はドロップショルダー(肩線をわざと腕側に落としたデザイン)のアウターが多く、肩が落ちていること自体は失敗ではありません。問題は、それがデザインなのか、単にサイズが大きいのかの見分けです。
見分け方は3つあります。ひとつ目は袖の長さ。デザインとして肩を落としたものは、そのぶん袖が短めに作られていて、腕を下ろすと袖口がちょうどいい位置に来ます。サイズが大きいだけのものは、袖も一緒に長くなって手の甲にかかります。
ふたつ目は着丈。デザインのものは身幅が広くても着丈は普通の長さに収まっています。全部の寸法が一回り大きいなら、それはサイズが大きいだけです。みっつ目は、同じ商品の一つ下のサイズを着てみること。肩線の位置がほとんど変わらないなら、肩が落ちているのはデザインです。
素材で余裕の取り方が違う
同じサイズ表記でも、素材によって着たときの感覚がかなり変わります。
| 素材 | 余裕の取り方 | 中に合わせやすいもの | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| ダウン | 中綿の厚みぶん、内側は見た目より狭い | 薄手のニット、カットソー | 大きめを選ぶと着膨れして見える |
| レザー | 伸びにくいので、最初から中の厚みを入れて合わせる | シャツ、薄手のニット | 厚手のニットを想定するならワンサイズ上も試す |
| ウール | 生地に落ち感があり、余裕を取っても形が崩れにくい | 厚手のニット、インナーダウン | 肩が合っていれば身幅に余裕があっても見映えする |
ダウンは中綿があるぶん、外から見るより内側が狭いのが特徴です。ここで大きめを選ぶと、ダウンの厚みが重なってかなり膨らんで見えます。中には薄手のものを着る前提で、ジャストに近いサイズを選ぶのが無難です。ダウンのシルエットの選び方は、ダウンジャケットはシルエットで決まる!タイトとオーバーサイズの選び方も参考にしてみてください。
レザーは生地がほとんど伸びないので、試着のときにきついと感じたら、そのまま冬を越すのは厳しいです。ウールは一番融通がきく素材で、厚手のニットを中に入れる前提で少し余裕を取っても、生地が落ちてきれいに見えます。
1サイズ上げるかどうかの判断
「冬物は1サイズ上」という話をよく聞きますが、これはいつも正しいわけではありません。上げていいのは、中に厚手のものを着ることが決まっていて、しかも肩が合っている場合だけです。
判断の順番はこうです。まず普段のサイズで、中に着る予定のものを着て試着する。肩が合っていて、腕を組んだときに脇や背中がきついなら、1サイズ上を試す。上げたことで肩が落ちすぎたり、袖が手の甲にかかったりするなら、元のサイズに戻して中を薄くする。サイズを上げるより、中を1段薄くするほうがきれいに着られることも多いです。
もともとオーバーサイズで作られているアウターは、上げる必要はほぼありません。上げると、デザインの余裕にさらに余裕が乗って、だらしなく見えてしまいます。

通販で買うときの実寸の見方
通販でアウターを買うなら、サイズ表記より実寸を見ます。同じMでもブランドによって大きさがかなり違うので、表記だけで選ぶのは危ないです。
比べる相手は、手持ちで一番しっくりきているアウターです。平らな場所に置いて、肩幅、袖丈、着丈、身幅の4か所を測っておきます。身幅は脇の下の端から端まで、着丈は後ろの襟の付け根から裾まで。商品ページの実寸と、この数字を並べて見るだけで、大きく外すことはなくなります!
ラグラン袖のアウターは肩幅が書かれていないことが多く、代わりに裄丈(首の付け根から袖口までの長さ)が載っています。手持ちのアウターも同じ測り方で測っておくと比べられます。
通販の場合は、買う前に交換や返品の条件も確認しておきましょう。サイズ交換ができるショップを選んでおけば、実寸で比べても迷ったときに気軽に試せます。
アウターの種類で変わる、余裕の目安
同じサイズの考え方でも、アウターの種類によって中に着るものが変わるので、ちょうどいい余裕も変わります。
ステンカラーコートやチェスターコートは、シャツやニットの上に着ることが多いアウターです。肩をきちんと合わせて、身幅はニット1枚分の余裕があれば十分。ジャケットの上から着たいなら、そのジャケットを着て試着するのが確実です。
マウンテンパーカーは、中にフリースや薄手のダウンを入れて冬まで使う人が多いアウターです。秋口だけ着るならジャストでいいですが、冬も着るつもりなら、フリースを着て試着して腕まわりが窮屈でないかを見ておきます。
ブルゾンやデニムジャケットのような短い丈のアウターは、余裕を取りすぎると上半身だけが大きく見えます。中はカットソーかスウェットまでにして、ジャストに近いサイズで合わせると、すっきりまとまります。
やりがちな失敗
ひとつ目は、Tシャツ1枚で試着してそのまま買うこと。秋に買うと特にやりがちで、真冬にニットを着た瞬間に後悔します。試着の日だけは、冬の中身を着ていきましょう。
ふたつ目は、身幅に合わせて肩を妥協すること。身幅はちょうどいいけれど肩が少し落ちる、というアウターは、着ているうちにだんだん大きく見えてきます。迷ったら肩を優先してください!
みっつ目は、色の重さを考えずにサイズを上げること。黒やネイビーのアウターは、大きくても輪郭が締まって見えますが、ベージュやグレーなどの明るい色は膨張して見えやすいです。明るい色のアウターほど、サイズはジャスト寄りにしておくと失敗しにくいです。
よっつ目は、袖丈だけ見て決めること。袖がちょうどいい長さでも、肩が合っていなければ全体は大きく見えます。袖丈はお直しで調整できる場合もあるので、肩と身幅を優先して、袖は最後に考えるくらいでちょうどいいです〜。
サイズの正解は、中に着るものが教えてくれる
アウターのサイズで迷ったら、まず冬に一番厚く着るものを決めてみてください。それを着て、肩、袖、着丈、身幅の順に見る。この流れさえ守れば、大きく外すことはほとんどありません。
白のカットソーにグレーのニット、その上に黒のウールコート。こういう定番の組み合わせほど、サイズが合っているかどうかで見え方が変わります。シンプルな服ほどサイズがそのまま出るので、ここはこだわる価値があります!
今シーズン新しいアウターを探しているなら、是非参考にしてみてください!

