メンズのSサイズを買ったのに、袖は手の甲にかぶるし、着丈はお尻を覆うし、パンツの裾は靴の上でたまる。いっそレディースかキッズで探したほうがいいのか。背が低い男性の服選びでは、こんな迷いがずっとついて回ります。でも、売り場を変える前にやれることがあります。それは、自分に合う寸法を知ることです。今回は、背が低い男性が服を選ぶときに見るべき3つのところと、その測り方について書いていきます!
レディースやキッズを探す前に、見るところは3つ
Sサイズでも大きいと感じるとき、どこが大きいのかを分けて考えると、選び方がはっきりします。見るところは、着丈・股下・肩の3つです。
着丈は、トップスやアウターの縦の長さ。股下は、パンツの股から裾までの長さ。肩は、左右の肩の縫い目のあいだの幅です。サイズ表記のSやMは、この3つをまとめた目安にすぎません。同じSでも、ブランドやアイテムによって、どこが長くてどこが短いかは違います。
レディースやキッズは、たしかに丈が短いものが多いです。ただ、レディースは女性の体に合わせて肩や胸、腰まわりの形が作られていますし、シャツはボタンの付き方が左右逆のものがほとんどです。キッズは子どもの体に合わせた作りなので、肩や胸まわりの幅が大人の体には合わないことがあります。「丈は合うけど、どこか変」になりやすいので、先にメンズの中で探し切るほうが近道です。
メンズの中で探すときも、Sサイズをそのまま信じないことが大切です。同じSでも、細身に作られたブランドのSと、ゆったり作られたブランドのSでは、着丈も肩幅もまったく違います。サイズ表記ではなく、寸法で比べる。ここが今回の一番のポイントです。
手持ちの服で「合う寸法」を測る
自分に合う寸法を知るいちばん確実な方法は、手持ちの服の中で「これはちょうどいい」と思える1枚を測ることです。体を測るより、服を測るほうがサイズ表とそのまま比べられるので、通販で失敗しにくくなります。
| 見るところ | 測る場所 | 比べる相手 |
|---|---|---|
| 着丈 | 服を平らに置き、サイズ表の説明と同じ位置(後ろ襟の付け根など)から裾まで | 買いたい服のサイズ表の着丈 |
| 股下 | パンツの股の縫い目が交わるところから裾まで | パンツのサイズ表の股下 |
| 肩 | 左右の肩の縫い目のあいだ | サイズ表の肩幅 |
測るときは、服を床やテーブルに平らに置いて、しわを伸ばしてからメジャーを当てます。着丈は、ブランドによって測り始める位置が違うことがあるので、サイズ表の「測り方」の説明を見て、同じ場所から測ってください。ここをそろえないと、数字を比べても意味がなくなります。
測った数字は、スマホのメモに残しておきます。トップス、アウター、パンツの3つ分あれば、通販で服を見るたびにサイズ表と照らし合わせられます。この数字は、一般的な基準ではなく「自分の基準」です。誰かの身長別の目安より、ずっと当てになります!
「ちょうどいい服」が手持ちにない場合は、少し大きいと感じる服を測って、「これより何センチ短ければいいか」を鏡の前で確かめる方法もあります。裾を内側に折り込んで、ちょうどいい長さになったところで洗濯ばさみで留めて、その状態で測る。ちょっと地味な作業ですが、一度やっておけば何年も使える数字になります!

着丈の目安は、お尻のどこで裾が止まるか
手持ちにちょうどいい服がない場合は、鏡で裾の位置を見ます。目印にするのは、腰骨とお尻です。
Tシャツやニットなど1枚で着るトップスは、裾が腰骨のあたり、お尻のふくらみが始まる手前で止まると、脚の始まりが高く見えます。裾がお尻を覆うと、脚の始まりが下がって見えて、下半身が短く見えます。
アウターは、腰骨からお尻にかかるくらいまでが扱いやすい範囲です。お尻がすっぽり隠れる長さになると、縦の面積が増えて、服に着られている印象が出やすくなります。コートを選ぶなら、膝より上で止まるものを選ぶと、全体が重くなりにくいです。
この目安で鏡を見て、ちょうどいい位置に裾が来ている服が見つかったら、それを測る。そうやって「合う寸法」を1つずつ集めていくと、次の買い物が楽になります〜。
パンツは股下と裾幅で選ぶ。ワイドパンツも丈で履ける
パンツで見るのは股下です。ウエストが合っていても、股下が長いと裾が靴の上でくしゃっとたまり、脚のラインが途切れて短く見えます。手持ちのパンツで、裾がちょうど靴の甲に軽く触れるものを測っておくと、それが自分の股下の目安になります。
股下が長いパンツを見つけたら、裾上げを前提に考えて大丈夫です。股下は裾を切れば短くできます。逆に、ウエストやお尻まわりは直しにくいので、パンツはウエストで選んで股下を直す、という順番が現実的です。
背が低いとワイドパンツは無理、と思われがちですが、丈を合わせれば履けます。問題になるのは太さではなく、裾がたまることです。ワイドパンツは裾が靴の甲にかかるくらいまで丈を詰め、裾幅が広すぎないものを選ぶと、背が低くても足元がもたつきません。ワイドパンツの合わせ方は、ワイドパンツの合わせ方!体型カバーもできる大人メンズの万能コーデも参考にしてみてください。
肩は直せないので、肩で選んで丈を直す
着丈・股下・肩の3つのうち、お直しで調整しにくいのが肩です。丈や袖は詰められますが、肩幅を変えるのは大がかりになります。だから、トップスやアウターは、肩が合うものを選んで、丈や袖は直す、という順番で考えます。
肩が合っているかは、肩の縫い目が自分の肩の骨の端に来ているかで見ます。縫い目が腕のほうに落ちていたら大きすぎです。背が低くて肩幅が広い人は、肩に合わせると丈が長くなりがちですが、それは丈を詰めれば解決します。逆に、なで肩で肩幅が狭い人は、肩の縫い目がはっきりしない、ラグランスリーブ(襟元から脇にかけて斜めに袖がついた形)の服を選ぶと、肩のずれが目立ちにくいです。
丈を確保するためにサイズを上げすぎると、肩が落ちてだらしなく見えます。肩で選んで、丈は直す。この順番を守るだけで、サイズ選びの失敗はかなり減ります!
重心を上げる組み方(トップスの丈・ベルト・靴)
寸法が合ったら、組み方で重心を上げます。ポイントは、脚の始まりを高く見せることと、縦の線を切らないことです。
| パーツ | 重心が上がる | 重心が下がる | 組み方の例 |
|---|---|---|---|
| トップスの丈 | 腰骨で止まる、前だけ軽くイン | お尻を覆う長さ | 白のTシャツを前だけインして黒のパンツ |
| ベルト | パンツと同じ色で細め | 太くて目立つ色 | 黒のパンツに黒の細いベルト |
| パンツと靴の色 | 同じ色でつなげる | 明るさが大きく違う | 黒のパンツに黒のレザースニーカー |
| 上下の色 | 近い明るさでまとめる | 白と黒でくっきり分ける | グレーのニットにチャコールのパンツ |
上の表のように、境目をぼかすほど縦の線が長く見えます。ベルトは、太いものや明るい色のものだと腰に横線ができて、体を上下に分けて見せます。パンツと同じ色の細めのベルトにするか、トップスを前だけインしてベルトをちらっと見せる程度にすると、腰の位置ははっきりしつつ、横線は目立ちません。身長ごとの丈と重心の考え方は、身長別の服のサイズと丈の選び方!メンズの重心を整える着こなしのコツで詳しく書いています。

お直しで頼むところと、頼まないところ
「肩で選んで丈は直す」と言っても、どこまで直せるのかが分からないと踏み切れません。目安として、頼みやすいのはパンツの裾上げ、シャツやジャケットの袖丈詰め、トップスの着丈詰めです。どれも縫い目の端を短くする作業なので、服の形が大きく崩れにくいです。
パンツの裾上げは、買った店でそのまま頼めることも多いです。試着のときに靴を履いた状態で、裾が靴の甲に軽く触れる位置で合わせてもらうと失敗しません。裾上げをお願いするときは、手持ちのちょうどいいパンツの股下をメモしておいて、「この長さで」と伝えるのが一番確実です。
逆に、頼まないほうがいいのは肩幅と身幅です。肩の位置を変えるのは袖の付け根から作り直す大がかりな作業になり、見た目が不自然になることもあります。肩が合わない服は、直すより選び直すほうが早いです。ここでも結局、最初に肩で選ぶのが正解になります!
Sサイズの展開があるブランドの探し方
寸法が分かったら、次はそれに合う服を出しているブランドを探します。通販なら、サイズの選択肢にXSやSがあるかどうかを最初に見ます。XSまで展開しているブランドは、小さいサイズの設計にも手をかけていることが多いです。
パンツなら、「股下短め」「ショート丈」の展開があるかもチェックします。同じウエストで股下だけ短いモデルがあれば、裾上げなしで履けます。商品ページにサイズ表がしっかり載っていて、測り方の説明もあるブランドは、手持ちの寸法と比べやすいので信頼できます。
ユニセックスの服を探すのも手です。男女兼用で作られた服は、メンズより小さいサイズから展開していることがあり、肩の作りも極端に女性向けではありません。サイズ表で肩幅と着丈を確かめれば、選択肢がぐっと広がります。
探すときは、通販サイトの絞り込みで、サイズを「XS」や「S」に指定してから商品を見るのが効率的です。最初に気に入った服を見つけてからサイズがないと分かるより、サイズのある服の中から選ぶほうが、がっかりする回数が減ります。
気をつけたいこと
背が低い人向けのアドバイスでよく見るのが「全部タイトに着る」です。たしかに細身の服はすっきり見えますが、体にぴったり張り付くほど細くすると、窮屈で古い印象になります。大事なのは細さではなく、肩と丈が合っていることです。肩と丈が合っていれば、少しゆとりのあるシルエットでも、だらしなくは見えません。
むしろ、黒のテーパードパンツに少しゆとりのある白のシャツを合わせて、袖を一折りして手首を見せるくらいのほうが、今っぽく軽やかに見えます。手首や足首のように細い部分を少し見せると、全体がすっきり見えるので、背が低い人ほど使える手です!
もうひとつは、サイズを小さくしすぎること。丈を合わせようとして小さいサイズを選び続けると、身幅や腕まわりが窮屈になります。身幅は直せませんが、丈は詰められます。迷ったら、身幅と肩が合うほうを選んで、丈を直すのが正解です。
みっつ目は、厚底の靴だけに頼ること。ソールの厚い靴は重心を上げてくれますが、パンツの裾が長いままだと、せっかくの靴が隠れて効果が薄れます。靴を替える前に、まず股下を合わせる。順番を逆にしないのがコツです。
寸法を知っていれば、売り場を変えなくていい
背が低い男性の服選びで一番効くのは、レディースやキッズに移ることではなく、自分に合う寸法を知ることです。手持ちのちょうどいい服を測って、着丈・股下・肩の数字をメモしておく。それだけで、通販のサイズ表がちゃんと使えるようになります。
肩で選んで、丈は直す。パンツはウエストで選んで、股下を直す。この順番さえ覚えておけば、メンズの売り場でも十分に戦えます!
Sでも大きくてサイズ選びに迷っているなら、是非参考にしてみてください!

