アウトドアブランドのジャケットを買って、街で着てみたら、なぜか「これから山に行く人」みたいになってしまった。機能もデザインも気に入って買ったのに、全身を鏡で見ると何かが違う。ノースフェイスのような定番ブランドほど、この悩みはよく聞きます。原因はブランドでもアイテムでもなく、たいていは量です。というわけで、アウトドアの服を街で着るときに、どこまで入れていいかの線引きをご紹介していきます!
アウトドアの服を街で着ると「山帰り」に見える理由
アウトドアの服は、山や川で動きやすく、雨や風をしのげるように作られています。生地はシャカシャカした化学繊維、色は遠くから見つけやすい明るい色、ポケットやジッパーは多め。どれも外で使うための理由がある作りです。
この「外で使うための作り」が、全身にそろうと街で浮きます。機能的なジャケットに、ストレッチの効いたクライミングパンツ、トレッキングシューズ、大きなバックパック。1つずつは素敵でも、全部そろうと、見る人の頭に「山」という場所が浮かびます。それが「山帰り」に見える正体です。
逆に言えば、アウトドアの要素が1つだけなら、それは街の服の中の「アクセント」になります。問題は何を着るかより、何点入れるかです。
素材の対比もポイントです。アウトドアの服は、ナイロンやポリエステルのシャカシャカした生地が多いです。街の服は、ウールやコットン、レザーのように、しっとりした生地が多い。この2つが1つのコーデの中で混ざっていると、アウトドアの服が「わざと入れたもの」に見えて、ちゃんとおしゃれに見えます!
入れていいのは1コーデに1点まで
街で着るときの線引きは、アウトドアらしいアイテムを1コーデに1点までにすることです。ジャケットを着るならバッグと靴は街のもの、バックパックを背負うならジャケットは街のもの。主役を1つに決めて、ほかは全部きれいめで受けます。
| アウトドアの点数 | 見え方 | 街での使いやすさ |
|---|---|---|
| 1点 | 街の服の中のアクセント | どこにでも着ていける |
| 2点 | アウトドア好きの人 | 休日の公園やカフェなら成立 |
| 3点以上 | これから山に行く人 | 街では浮きやすい |
2点がダメというわけではありません。キャンプ場に向かう日や、休日に公園で過ごす日なら、2点でも自然です。ただ、街の中で、仕事帰りや買い物で着るなら、1点にしておくと外しません。迷ったら1点、がいちばん簡単なルールです!
この線引きのいいところは、手持ちの服を買い替えなくていいことです。アウトドアの服を手放す必要も、きれいめの服を新しくそろえる必要もありません。今あるものの組み合わせを変えて、アウトドアの点数を1つに減らすだけです。
何を「1点」と数えるか
数えるのは、パッと見て「アウトドアの服だ」と分かるものです。具体的には、シャカシャカした生地の機能ジャケット、フリース、大きなバックパック、トレッキングシューズ、ストレッチの効いた登山用のパンツ。このあたりは、1つで1点と数えます。
一方で、無地でロゴの小さいキャップや、小さめのショルダーバッグのように、街の服としても違和感のない小物は数えなくて大丈夫です。ただし、小物でもロゴが大きいものや、色が鮮やかなものは1点に数えます。
ブランドで数えるのではなく、見た目で数えるのがポイントです。アウトドアブランドの無地の黒いTシャツは、見た目は普通のTシャツなので数えません。逆に、アウトドアブランドではなくても、ポケットだらけの機能ジャケットは1点です。
迷ったときは、そのアイテムを着て駅のホームに立っている自分を想像してみてください。周りのスーツや普段着の人の中で、それだけが「これから山に行く」雰囲気を出しているなら1点。周りになじんでいるなら数えなくて大丈夫です。

1点入れるならアウターかバッグ
どこに1点を入れるかで迷ったら、アウターかバッグにします。この2つは、街で使っても機能が生きるアイテムだからです。
アウターなら、マウンテンパーカーや、シンプルなシェルジャケット、ダウンジャケット。雨や風をしのげる機能は、街の通勤や買い物でもそのまま役立ちます。色は黒、ネイビー、カーキ、グレーといった落ち着いた色を選ぶと、きれいめの服と合わせやすいです。マウンテンパーカーの選び方は、マウンテンパーカーの選び方!防水・防風を活かす秋冬から通年コーデで詳しく書いています。
バッグなら、黒やグレーの無地のバックパック。大きすぎる登山用ではなく、背中にほどよく収まる街用のサイズを選びます。ジャケットやコートの上から背負っても、アウトドア感がちょうどいいアクセントになります。
靴をアウトドアにする手もありますが、少し上級です。トレッキングシューズは見た目の主張が強いので、足元に入れるなら、上は全部きれいめに振り切る必要があります。最初はアウターかバッグから始めるのがおすすめです〜。
どうしてもトレッキングシューズを街で履きたい日は、パンツの裾を少し短めにして、靴をあえて見せます。黒のスラックスの裾から、ゴツッとしたブラウンのトレッキングシューズがのぞく。上はグレーのニットにチャコールのウールコート。足元だけが外の雰囲気で、残りは全部街の服、という組み方なら成立します!
残りはきれいめで受ける(パンツ・靴・中に着るもの)
1点を決めたら、残りはきれいめで受けます。ここで言う「きれいめ」は、スーツのようにかっちりした服ではなく、街で普段着ている落ち着いた服のことです。
パンツは、黒のスラックスや、濃いめのデニム、センタープレスの入ったウールのパンツ。生地に張りがあって、シルエットがまっすぐなものを選ぶと、アウトドアのシャカシャカした質感との対比がはっきりします。靴は、レザーのスニーカーや革靴。白のレザースニーカーなら、カジュアルさも残せます。
| 入れる1点 | パンツ | 靴 | 中に着るもの |
|---|---|---|---|
| マウンテンパーカー | 黒のスラックス | 黒の革靴 | 白のシャツ |
| ダウンジャケット | 濃いめのデニム | 白のレザースニーカー | グレーのニット |
| フリース | チャコールのウールパンツ | ブラウンの革靴 | 白のTシャツ |
| バックパック | 黒のテーパードパンツ | 黒のレザースニーカー | チャコールのウールコート |
中に着るものも大事です。機能ジャケットの中に、白のシャツやグレーのニットを着ると、首元から街の服がのぞいて、全体が一気に街寄りになります。フリースやパーカーを中に重ねると、またアウトドアの点数が増えるので気をつけたいところです。
表の組み合わせは、どれも「アウトドアの1点+白黒ベースの街の服」になっています。色を決めるのに迷ったら、パンツと靴を黒でそろえて、中に着るものを白かグレーにする。これを基本形にして、アウトドアの1点だけを入れ替えていけば、手持ちの服で何通りも組めます。
ロゴの大きさと色の数で、見た目の差が出る
同じ1点でも、ロゴの大きさと色の数で見え方は変わります。胸に小さく刺繍されたロゴなら街の服になじみますが、背中に大きくプリントされたロゴは、それだけで主張が強くなります。街で使うなら、ロゴが小さいもの、または同じ色で目立たないものを選ぶと扱いやすいです。
色は、アウトドアの1点を含めて、全身で3色以内に収めます。アウトドアの服は鮮やかな色が多いので、赤や黄色のジャケットを選ぶなら、それが差し色になります。その場合、パンツと靴と中のニットは白・黒・グレーでまとめて、色はジャケットの1色だけにする。DOMEBRAでいつも言っている「白黒をベースに差し色ひとつ」の組み方が、ここでもそのまま使えます!
ロゴ入りの小物を足したくなったら、ロゴの数も数えます。ジャケットに1つ、キャップに1つ、くらいまでならうるさくなりません。ブランドを全身でそろえるとロゴが何か所にも並ぶので、1つのブランドで固めないことも大事です。ノースフェイスの着こなしについては、ノースフェイスはダサい?周りは見てない、要は使い方次第で詳しく書いています。

季節ごとに、入れる1点を替える
1点ルールは、季節が変わっても同じです。変わるのは、どのアイテムを1点にするかだけです。
秋は、マウンテンパーカーやシェルジャケットのような薄手のアウター。中に白のシャツやグレーのニットを着て、黒のスラックスで受けます。気温が下がって中にニットを着るようになっても、羽織りが1枚なら街の格好として成立します。
冬は、ダウンジャケットかフリース。ダウンは膨らみがあるぶん主張も強いので、パンツは細めのスラックスやデニムにして、上下のボリュームの差をつけます。フリースを1点にする日は、上にウールのコートを重ねず、フリースそのものをアウターとして着るほうがすっきりします。
春は、薄手のシェルジャケットか、バックパック。暖かくなってアウターを着なくなったら、1点の役をバッグに任せます。白のTシャツに黒のパンツ、背中に黒のバックパック。季節が変わっても「1点だけ」を守っていれば、アウトドアの服は1年中街で使えます!
気をつけたいこと
ひとつ目は、サイズを大きくしすぎないこと。アウトドアのアウターは、中に何枚も重ね着する前提でゆったり作られていることがあります。街でニット1枚の上に着るなら、試着して肩が落ちすぎていないかを確かめます。肩が合っていないと、1点ルールを守っていても、着られている印象が残ります。
ふたつ目は、機能のための部品をそのままにしないこと。フードの絞りひもが長く垂れていたり、袖のマジックテープが開いたままだったりすると、それだけで山っぽさが増します。ひもは中にしまう、袖は閉じる。この程度のことですが、印象はかなり変わります。
ジッパーの開け方も同じです。山では体温調節のために胸元まで大きく開けますが、街では首元まで閉めるか、胸の高さで止めて中のシャツやニットを少し見せるほうが、きれいにまとまります。
みっつ目は、雨の日の全身アウトドア。雨の日はつい、防水のジャケットに防水の靴、防水のバッグとそろえたくなります。機能を優先するのは正解ですが、パンツだけでも黒のスラックスにしておくと、街の服として成立します。マジで、パンツ1本で印象が変わります!
アウトドアは、1点だけ効かせるのが街のやり方
アウトドアの服は、街で使っても雨や風に強く、動きやすい頼れる服です。だからこそ、全身をそろえたくなる気持ちも分かります。でも、街で着るなら1点だけ。その1点をアウターかバッグにして、残りはきれいめの服で受ける。これだけで、山帰りには見えなくなります。
好きなブランドのジャケットを、仕事帰りにも週末にも着られるようになれば、元はすぐに取れます。山に行く日は全身アウトドアで、街に出る日は1点だけ。この切り替えができると、アウトドアの服の出番はぐっと増えます!
今シーズン新しいアウトドアのアウターをお探しの際は、是非1点ルールも検討してみてください!

