結婚式の招待状に「平服でお越しください」、二次会の案内に「私服でいいよ」、法事の連絡に「平服で」。言われた側は、本当に普段の服で行っていいのか、かえって迷ってしまいます。いつものジーンズにジャケットでいいのか、スーツを着ていくべきなのか。久しぶりの式だと、今は何が普通なのかも分かりません。そこで今回は、男性が「平服で」と言われたときに何を着ればいいのかを、結婚式・二次会・法事の場面ごとにまとめてご紹介します!
平服は「普段着」ではない
最初に押さえておきたいのは、冠婚葬祭で言う「平服」は、普段着のことではないということです。辞書のデジタル大辞泉でも、招待状の「平服でご出席ください」は、ふつう略礼装かそれに近い服装を指し、カジュアルウエアは含まないと説明されています。
略礼装というのは、礼服ほどかしこまらないけれど、きちんとした服装のことです。男性なら、ダークカラーのスーツが基本になります。紳士服大手のAOKIや青山の公式コラムでも、平服はTシャツやジーンズ、スニーカーのような普段着ではなく、スーツを基本にした略式の礼装として説明されています。
つまり、「平服で」は「礼服じゃなくていいですよ」という意味で、「何でもいいですよ」という意味ではありません。ここを最初に分かっておくだけで、迷う範囲がぐっと狭くなります!
場面ごとの服装の目安
結婚式・二次会・法事で、「平服で」と言われたときの目安を表にまとめました。紳士服大手や冠婚葬祭の会社の公式コラムに共通している内容をもとにしています。
| 場面 | スーツ | シャツ・ネクタイ | 靴 |
|---|---|---|---|
| 結婚式(平服指定) | ブラックかダークネイビーの無地 | 白無地のシャツ、シルバーグレーなど明るめのネクタイ | 黒の内羽根の革靴 |
| 二次会 | ダークネイビーかチャコールグレー | 会場によってネクタイなしも | 黒の革靴(カジュアルな会場ならローファーも) |
| 法事(平服指定) | 黒・紺・グレーなどのダークカラー | 白のシャツ、光沢のない黒か暗い色の無地のネクタイ | 黒の革靴、黒の靴下 |
3つの場面に共通しているのは、ダークカラーの無地のスーツと、白のシャツと、黒の革靴です。この3つを持っていれば、ネクタイを替えるだけで、だいたいの場面に対応できます。
結婚式でも二次会でも法事でも、スーツは同じものを着回せます。替えるのはネクタイと小物だけ、と考えると、そろえるものはぐっと少なくなります。まずは手持ちのスーツの色と柄を確かめるところから始めてみてください。
結婚式で「平服で」と言われたら
結婚式で平服を指定された場合は、ブラックかダークネイビーの無地のスーツに、白無地のシャツを合わせます。AOKIの公式コラムでは、ネクタイはシルバーグレーのような明るい色をすすめていて、お祝いの場では白やシルバーが合うとしています。
避けたいのは、新郎より目立つ服装です。白やシルバーのスーツ、派手な柄、強い光沢のある生地は控えます。青山の公式サイトでは、ネクタイやベストまで全部黒にすると葬儀のように見えるので避ける、とも書かれています。黒のスーツを着るなら、ネクタイやポケットチーフで明るさを足すのがポイントです。
ポケットチーフは、白の麻やコットンのものを1枚持っておくと便利です。ジャケットの胸ポケットから少しのぞかせるだけで、普段のスーツがお祝いの場の装いに変わります。折り方は、ポケットの口と平行にまっすぐ見せるだけで十分きれいに見えます!
シャツは、襟の先をボタンで留めるボタンダウンではなく、普通の襟のもの(レギュラーカラー)を選びます。ボタンダウンはもともとカジュアル寄りのシャツなので、式の場ではあまり向きません。
二次会の服装は、会場で決める
二次会は、結婚式より少しくだけた場です。とはいえ、会場によってきちんと度がかなり違います。ゼクシィやAOKIの公式記事に共通する目安をまとめると、こうなります。
| 会場 | 上に着るもの | 中に着るもの | 靴 |
|---|---|---|---|
| ホテル・式場 | ダークスーツ | 白のシャツ+ネクタイ | 黒の内羽根の革靴 |
| レストラン・バー | スーツか、ジャケット+スラックス | 白か淡い色のシャツ、ネクタイは任意 | 黒かダークブラウンの革靴 |
| 居酒屋・カフェ | ジャケット | 襟付きのシャツ | 革靴かローファー |
どの会場でも、ジャケットは着ていくのが基本です。カジュアルな会場でも、ゼクシィの記事ではTシャツやニットにジーンズの組み合わせは避けるよう書かれています。スニーカーやサンダルも、二次会では避けたほうが安心です。
DOMEBRAらしく組むなら、紺のジャケットに白のシャツ、グレーのウールのスラックス、黒の革靴。ここにネクタイを足せばホテル、外せばレストランでも浮きません。色は白・黒・紺・グレーでまとめて、差し色はポケットチーフかネクタイに1つだけ。これで、きちんと感とおしゃれのバランスがちょうどよくなります!
紺のジャケットの代わりに、チャコールグレーのジャケットでも同じように組めます。その場合は、スラックスを黒か濃いグレーにして、上下の明るさに少し差をつけると、きちんと見えます。靴とベルトの色をそろえておくと、全体がまとまります。AOKIの公式コラムでも、ベルトは靴の色に合わせるのが基本とされています。

「私服でいいよ」と言われた二次会
友人から「二次会は私服でいいよ」と言われることもあります。この場合も、本当に普段着で行くのはやめておいたほうが無難です。言った本人は気を遣って「堅苦しくなくていい」と伝えたつもりでも、会場にはスーツの人も多く来ます。
「私服で」と言われたときの落としどころは、ジャケットを着たきれいめな格好です。ジャケットに襟付きのシャツ、スラックス、革靴。ネクタイはなくても大丈夫です。ジャケットさえ着ていれば、周りがスーツでもカジュアルでも、どちらにもなじみます。迷ったら、少しきちんとしすぎるくらいがちょうどいい、と覚えておいてください。
たとえば、紺のジャケットに白のシャツ、グレーのスラックス、黒の革靴。ここまでは同じで、ネクタイを外して、シャツの第1ボタンだけ開ける。これなら、くだけすぎず、堅苦しすぎない、ちょうどいい二次会の格好になります!
ジーンズを履いていきたい気持ちも分かりますが、二次会は新郎新婦をお祝いする場です。いつもの休日の格好より、一段だけきちんとした格好を選ぶ。それが「私服でいいよ」への一番いい答え方です〜。
法事で「平服で」と言われたら
法事で言われる平服は、結婚式の平服とは意味が少し違い、「略喪服」を指します。葬儀社の公益社や、冠婚葬祭の情報を扱うくらしの友の記事でも、法事の平服は普段着ではなく、略式の喪服のことだと説明されています。
男性なら、黒・紺・グレーなどダークカラーの無地のスーツに、白のシャツ、黒か暗い色の無地のネクタイ。靴と靴下、ベルトは黒でそろえます。光る金具のついた靴、ワニやヘビの革の小物、派手な時計やアクセサリーは避けます。
くらしの友の記事では、シャツはボタンダウンを避け、ネクタイピンも原則として付けないとしています。結婚式よりも、目立たないこと、控えめであることが大事な場面です。迷ったら、飾りを1つ減らす方向で考えると外しません。
いつから平服でよくなるかは、情報源によって少し差があります。AOKIのコラムでは三回忌までは略喪服、七回忌以降は平服が基本としていて、公益社の記事では三回忌でも親族以外なら略喪服でよいとしています。迷ったときは、施主(法事を取り仕切る人)や親族に一言確認するのが一番確実です。法事の細かいしきたりは家や地域でも違うので、ここは無理に自分で決めないほうが安心です。
手持ちのスーツで済ませる方法
年に数回しかない場面のために、礼服を何着もそろえるのは大変です。手持ちのスーツで済ませるなら、ダークネイビーかチャコールグレーの無地のスーツを1着持っておくのが一番使い回せます。結婚式の平服、二次会、法事の平服のどれにも使えて、ネクタイと小物を替えるだけで場面に合わせられます。
シャツは白無地のレギュラーカラー、靴は黒の内羽根の革靴。この2つも、1つずつ持っておけば足ります。ネクタイだけは、お祝い用(シルバーグレーなど明るめ)と、法事用(光沢のない黒の無地)の2本を用意しておくと、急な連絡にも慌てずに済みます。
革靴は、出番が少ないぶん、いざ履こうとしたらホコリだらけということがよくあります。式の前日に、ブラシでホコリを落としてクリームを入れておくと、足元がきれいに見えます。手入れの順番はレザーブーツの手入れの順番!初めてでも迷わないシーズン前の下ろし方で書いていて、革靴にもそのまま使えます。

そろえておくと慌てない小物
スーツ本体より、急に困るのは小物のほうです。いざ出かける前になって、黒の靴下がない、ベルトが茶色しかない、ということはよくあります。
用意しておきたいのは、黒の無地の靴下、黒の革のベルト、白無地のレギュラーカラーのシャツ、お祝い用と法事用のネクタイ2本、白のポケットチーフ。これだけあれば、結婚式・二次会・法事のどれにも対応できます。どれも普段の仕事でも使えるものなので、持っていて損はありません!
しまう場所も決めておくと安心です。スーツと一緒に、ネクタイ2本とチーフを同じ引き出しや箱にまとめておく。冠婚葬祭の連絡はたいてい急に来るので、探す手間を減らしておくだけで、当日の朝がだいぶ楽になります。
気をつけたいこと
ひとつ目は、サイズです。久しぶりにスーツを出したら、肩や胸まわりがきつい、パンツのウエストが入らない、ということはよくあります。式の1〜2週間前には一度袖を通して、直しや買い替えが間に合うようにしておきます。
ふたつ目は、冬の式のコートです。スーツの上に着るコートは、ダウンやカジュアルなアウターより、黒や紺、グレーのウールのコートが合います。中にスーツを着ることを考えて、肩まわりに余裕のあるサイズを選んでおくと安心です。サイズの選び方はアウターのサイズ選び!メンズは中に着るもので決める肩・袖・着丈も参考にしてみてください。
みっつ目は、案内に書かれていることを優先すること。招待状や連絡に、ドレスコードやノーネクタイの指定があれば、それに従います。AOKIのコラムでも、ノーネクタイは主催者から案内があれば問題ないとしています。この記事の目安は、指定がないときの判断材料として使ってください。
平服は、ダークスーツを基準に考える
「平服で」と言われたら、普段着ではなく、ダークカラーのスーツを基準に考えます。結婚式なら明るめのネクタイ、二次会なら会場に合わせてネクタイを外してもいい、法事なら黒のネクタイと黒の小物。ベースは同じで、ネクタイと小物で場面に合わせる。これを覚えておけば、急な案内でも慌てずに済みます。
迷ったら、少しきちんとしすぎるくらいでちょうどいい。これが一番外さない考え方です!
結婚式や二次会、法事の服装に迷っているなら、是非参考にしてみてください!

